DOS/V POWER REPORT 2018年4月号の33ページで、「PCエンジンコレクター探訪」を担当させていただいたのですが、誌面の関係でインタビュー内容をあまり掲載できなかったため、このブログでインタビュー内容を4回に分けて掲載していきます。
但し、一部、誌面で使用されている内容については、伏せ字にしてありますので、DOS/V POWER REPORT 2018年4月号を片手にご確認ください。
3.数が少ないということがPCエンジンの魅力
【酒缶】
手に入れるのが
大変だったタイトルは何ですか?
【PCエンジン研究会】
1999年頃に『サーカスライド』を
手に入れるのが大変でした。
【酒缶】
『サーカスライド』は、その後、
Amazonで大量に出てきましたよね。
【PCエンジン研究会】
でも、1995、6年には全然見つからないな、
と思っていたんです。
【酒缶】
『サーカスライド』は書籍流通だったから、
ゲームショップや玩具屋さんから
出てこなかったんですよね。
【PCエンジン研究会】
そうですね。
きっと、書籍で流通させれば
全国で買ってもらえるという戦略のため、
わざわざ書籍流通を使っていたみたいなんです。
でも、全然売れなくて返本されて
廃棄されたんだろう、と思っていました。
それで、99年にヤフオクで
『サーカスライド』が最初に出てきたときに、
ネットでみんなに
「『サーカスライド』を入札するよね」
と言われて、先輩コレクターから
「20万円あったらいける」と言われて、
僕が入札するなら誰も参戦しない話だったので
入札してみたら40万円まで行ってしまい、
結局負けてしまって……。
【酒缶】
世の中には、
他にもコレクターさんがいますからね。
【PCエンジン研究会】
「20万円あったらいける」
と言われたときに、僕は20万円でも
高いと思っていたんですけど、
入札して負けたら
「よく頑張ったね」と励まされて、
別のコレクターさんから
『サーカスライド』をすごく安い値段で
譲ってもらうことができました。
それが、一番苦労して
想い出深かった出来事でした。
【酒缶】
でも、その後、『サーカスライド』は
Amazonで大量に出てきましたよね。
【PCエンジン研究会】
その時も買いました。
【酒缶】
譲ってもらった『サーカスライド』と
Amazonで買った『サーカスライド』には、
違いがありましたか?
【PCエンジン研究会】
いや、まったく同じでした。
【酒缶】
世の中的には今では『サーカスライド』よりも
『秋山仁の数学ミステリー』の方が
すごいことになっていますけど、
当時はどうだったんですか?
【PCエンジン研究会】
当時はモノはなかったんですけど、
出てきたら3万円とか
それくらいで買えるようでした。
【酒缶】
今は一桁違いますね。
やっぱり、時代によって
プレミアが変わっていきますね。
【PCエンジン研究会】
はい。
買い取りが出るとそれが相場になっちゃうので、
秋葉原とかで『秋山仁の数学ミステリー』が
20万円で買ってくれるとなると
多分それ以下では市場には出てこなくなります。
【酒缶】
なるほど。
他に手に入れるのが大変だった
タイトルは何かありました?
ゲームソフトでも本でも
何でもいいんですけど。
【PCエンジン研究会】
同じ商品でも型番が付いているのと
付いていないのがあるなど、
「 ⑤ 」
【酒缶】
なるほど。
【PCエンジン研究会】
市販品なので、中古屋さんで買えるんですけど、
この違いはお店では区別されてないんです。
一般的な赤が1029円だったら、僕の感覚だと
黒は5000円くらいしてもおかしくないくらい
見かけないんですよ。
だから、僕は黒いのを見つけるのが好きです。
この『上海』もシールが横になっている
ヤツがあるんですけど……。
【酒缶】
おばちゃんが貼り間違えた、とかでは?
【PCエンジン研究会】
「 ⑥ 」
同日に発売された『ビックリマンワールド』にも
シールが横向きに貼られているモノがあるので、
それぞれ一定数あり、発売当時は
横向きが仕様だったんだと思います。
中古で購入して最初に横向きを見つけた時には
プリントミスだと思うんですよ。
【酒缶】
確かにそうです。
【PCエンジン研究会】
でも、たくさん購入して同じモノが出てきたら、
ミスじゃなくて仕様だったんだと思っていて、
こういうのが僕のこだわりです。
パッケージのシール以外にも、
Huカードの印刷も初期の3タイトルだけは
逆向きに印刷されているモノがあり、
「 ⑦ 」
【酒缶】
確かにこういう違いは
たくさん入手しないと気が付かないですね。
もしかしたら、買い取りをしているお店の人は
気付いている可能性はありますけど、
区別しないかもしれません。
【PCエンジン研究会】
もしかしたらまだ違ったモノが
あるかもしれない、という考えが
頭の片隅にあるため、お店に行ったら常に
ゲームソフトの裏面をチェックしてしまいます。
【酒缶】
PCエンジンのコレクターさんって、
他のハードのコレクターさんと比べると
それほど活発に活動している
感じがしないのですが?
【PCエンジン研究会】
最初からリストを作られて、
1個ずつきちっと綺麗に集められている
方が多いと思います。
だから、このようなこだわりを人に話しても
「ふーん」と流されてしまいます。
僕みたいに雑多に、何でも買って、
家に帰って「またあった!」
というようなことをしている人は
少ない印象です。
僕は適当なので……。
【酒缶】
いや、適当というか、
逆に細かくてすごいんですけど。
【PCエンジン研究会】
いやいやいや。
でも、PCエンジンのゲームは
600種類くらいしかないので、
個人でも追うことができるんです。
数が少ないということが
PCエンジンの魅力だと思います。
本も集められますし、サントラも……。
【酒缶】
サントラといえば、例えば
『ときめきメモリアル』なんかはかなり
たくさんの関連グッズが発売されていますけど。
【PCエンジン研究会】
僕の場合、PCエンジンのロゴが付いている
商品だけと決めて集めているので、
ロゴが違ったら、それは別の方に任せます。
『ときめきメモリアル』は、
プレイステーションやセガサターンになってから
メディアミックスがすごくなったので、
PCエンジンの商品は少ないです。
本当にこだわるのだったら、
もっと後から発売された商品も
集めないといけないんですけど、
ロゴは確実に違うので、
ロゴが変わっていたら知りません。
【酒缶】
コレクターさんのテリトリーの問題なので、
PCエンジンコレクターと
『ときめきメモリアル』コレクターでは
守備範囲が違う、という感じなんですね。
【PCエンジン研究会】
『ときめきメモリアル』の商品を集めるときは
『ときめきメモリアル』専門の方の
サイトや情報を参考にします。
「 ⑧ 」
ライブ映像で1曲でもPCエンジン関連の
タイトルの曲が演奏されていれば
DVDを購入します。
【酒缶】
ネットでしっかりと
リサーチしているんですね。
【PCエンジン研究会】
特に最近のヤツはそうです。
「 ⑨ 」
僕が確認した限りではPCエンジン関連の内容が
収録されていないと思っていても、
収録されていることをきっちりと
教えてもらえることがあります。
【酒缶】
専門性のある分野は、
専門家に確認するんですね。
【PCエンジン研究会】
画集は、PCエンジンのゲームの表紙絵が
収録されているかどうかは、
Amazonでもわからないことがあるので、
レビューされているサイトを探して確認します。
あとは、国会図書館に行って調べることもあります。
PCエンジンのゲームの表紙絵を描いている人は
そんなにたくさんいないので、その方の画集を
徹底的に調べれば何とかなります。
それも、600種類程度しかゲームが
発売されていないPCエンジンだからこそ
できることだと思います。
プレイステーションやセガサターンだと、
いろんなクリエイターさんが関わっているので
大変ですけど、PCエンジンだと有名な方は
10~20人程度の世界なので、
その方が画集を出されたらチェックしています。
【酒缶】
今でも、新作はあるんですか?
【PCエンジン研究会】
あります。
だから、クリエイターさんの
ブログをチェックします。
同人誌を出されることもありますので。
【酒缶】
同人誌まで行くと、難易度が相当上がりますよね。
【PCエンジン研究会】
そうですね。
『超兄貴』の葉山さんとかも、
手焼きでCDを売っているので、
葉山さんのブログをチェックしています。
【酒缶】
でも、『超兄貴』はPSPで新作が発売されたから、
その辺の区分けも難しそうですね。
【PCエンジン研究会】
はい。
でも、新しくCDに収録した曲の解説に
原曲の情報が書いてあるので、それを読んで
「これを買っておかないと」と……。
【酒缶】
完全に買うことが義務になっていますけど。
【PCエンジン研究会】
でも、めっちゃ嬉しいですよ。
特に同人誌は嬉しいですね。
チェックしていてよかったと思います。
【酒缶】
それは、手に入れることができてよかった、
なのか、情報が載っていてよかった、
なのか……。
【PCエンジン研究会】
過程、というか、ここをチェック
していたら情報が出てくるだろう
という予想が当たってよかった、
というところはあります。
越智一裕さんとかも、ブログを見たら
「『コズミックファンタジー』がそろそろ
20周年だからそろそろ動きたいな」
という一言があったので、
何かあるのではないかと思っていたら、
『コズミックファンタジー』の
ものすごくコアな設定資料集が
コミケで出てきました。
もちろん、手に入れたモノを読んで面白い、
というのもあるんですけど。
【酒缶】
今後もずっと
やることがあるということですよね。
「[特集 レトロゲーム、進化中。] DOS/V POWER REPORT 2018年4月号 雑誌 – 2018/2/28」(Amazon)
「DOS/V POWER REPORT (ドスブイパワーレポート) 2018年4月号[雑誌] Kindle版」(Amazon)
4.気にしているヤツがいることを伝えたい【4月25日(水)正午公開予定】
PCエンジン研究会さんとボクが資料協力をしている「PCエンジンコンプリートガイド」が2018年3月に発売されていますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
「PCエンジンコンプリートガイド」(Amazon)
0コメント