むかしむかしの大昔にゲームラボという雑誌があり、「ゲームコレクター・酒缶のトリビアガーデン」という連載をやっていたことがありました。
トリビアとして実際に使えたかどうかは謎ではあるモノの、ともかくネタにできる情報を提供できていたことだけは自負しているのですが、ふとAmazonを見ていたら1年前に『TVゲームトリビア124』というタイトルで電子書籍化されていることが分かったため、Webに見合った形でトリビアを報告していくことにしました。
『TVゲームトリビア124 Kindle版』(Amazon)
テレビゲームには、タイトルに「スーパー」と付いているゲームが多数存在しています。
「ファミリーコンピュータ」の後継機にあたる「スーパーファミコン」には、236種類の「スーパー」が付いたタイトルが登場しています。
この場合の「スーパー」は、単純に「スーパーファミコン」向けのゲームを表していることが多く、「スーパー」という言葉に全く有難みがなくなってしまっているのですが、実はこの現象は1984年にすでに発生していました。
1981年にエポック社が発売したゲーム機の名称が「カセットビジョン」なのに対して、互換性はないモノの後継機種として1984年に発売されたゲーム機の名称は「スーパーカセットビジョン」でした。
それゆえに、ゲーム機としては、「カセットビジョン」よりも「スーパー」な「スーパーカセットビジョン」という流れができているのですが、「スーパーカセットビジョン」向けに発売された『スーパーゴルフ』や『スーパー麻雀』、『スーパーベースボール』や『スーパーサッカー』、『スーパーサンスーピュータ』が本当に「スーパー」だったかというと、疑問に持たざるを得ません。
あえて言えば、『巨人軍原辰徳のスーパーベースボール』は若干ながら「スーパー」な感じがしないこともないのですが、どちらかというと「ベースボール」よりも「原辰徳」の方に「スーパー」を付けてあげたくなってしまいます。
『カセットビジョン』(Amazon)
『スーパーカセットビジョン』(Amazon)
『スーパーゴルフ』(Amazon)
『スーパー麻雀』(Amazon)
『スーパーベースボール』(Amazon)
『スーパーサッカー』(Amazon)
『巨人軍原辰徳のスーパーベースボール』(Amazon)
そんなわけで、1984年の時点で一部のゲームユーザー的には「スーパー」という言葉に有難みがなくなっていたわけですが、当時としても今でも「カセットビジョン」と「スーパーカセットビジョン」はマイナーハードなので、世間一般のゲームユーザーの共通事項にはならなかったというわけです。
そもそも「スーパー」は「優れている」ことを意味しているため、ゲーム機が「スーパー」だからといってゲームのタイトルに「スーパー」と付けるのは邪道で、前提となるタイトルがあったうえで、その続編や関連作品に「スーパー」が付くことの方がむしろ自然。
実は、本来の「スーパー」の意味を反映させる形でゲームのタイトルに「スーパー」を付ける流れは、「ファミリーコンピュータ」時代に始まっています。
有名なタイトルの続編という意味に絞って考えると、本当に「スーパー」だったかどうかは不問にした上で、『スーパーゼビウス ガンプの謎』と『スーパースターフォース』が双璧をなす有名タイトルと言えるのではないでしょうか。
『スーパーゼビウス ガンプの謎』(Amazon)
『スーパースターフォース』(Amazon)
『スーパーマリオブラザーズ』(Amazon)
そんな「スーパー」についてさかのぼってみると、1983年に発売された『マリオブラザーズ』に対して「スーパー」と化したタイトルとして1985年9月に登場した『スーパーマリオブラザーズ』にたどり着きます。
そのため、ゲームにおける「スーパー」の先陣を切ったのは任天堂、と言えなくもないのですが、ことファミコンに絞って調べてみると、『スーパーマリオブラザーズ』が発売される約2か月前に、サン電子が『スーパーアラビアン』を発売しています。
『スーパーアラビアン』は「スーパー」な『アラビアン』ということになるのですが、ファミコンでは『アラビアン』なるゲームは発売されていません。
実は、『アラビアン』とは1983年にサン電子がアーケード向けに開発したゲームであり、そのアレンジ移植が『スーパーアラビアン』、という関係になっています。
内容的な部分については不問とするとして、同様の考えで「スーパー」が付いたタイトルとして、『スーパーピットフォール』や『スーパーブラックオニキス』というタイトルが存在します。
ハード跨ぎという意味では、スーパーファミコンで登場した『スーパードンキーコング』の起源になるタイトルはアーケードやファミコンで発売された『ドンキーコング』になります。
『スーパーアラビアン』(Amazon)
『スーパーピットフォール』(Amazon)
『スーパーブラックオニキス』(Amazon)
『スーパーマリオワールド』(Amazon)
では、『スーパーマリオワールド』に対する「スーパー」抜きの『マリオワールド』が存在するかどうかという話になるわけですが、そのあたりの話については『TVゲームトリビア124』をご確認ください。
『TVゲームトリビア124 Kindle版』(Amazon)
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